規約に全部書いてありました。料金の内訳も、できないことも、会社に何が伝わるかも。
公式サイトの説明ではなく、組合規約のほうを最初から最後まで読んでいます。
この記事でわかること
- 22,000円の内訳と、何に払うお金なのか
- 規約に書かれている支援の範囲と、やらないこと
- 勤務先に何が通知されるのか
- 返金される場合と、されない場合
結論:交渉ができて、22,000円です
まず立ち位置から書きます。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営 | 労働組合法人(京都府労働委員会の資格審査を経た法適合労働組合) |
| 料金 | 一案件一律22,000円・追加料金なし |
| 相談 | 無料 |
| 対応 | 全国対応(オンライン可)。受付10:00〜20:00 |
| 交渉 | できる(団体交渉権) |
| 規約の施行日 | 2026年4月20日 |
退職代行は、運営元によってできることが変わります。民間企業が運営している場合、会社と条件を交渉すると弁護士法72条に触れるおそれがあるため、伝えるところまでしかできません。
交渉まで扱えるのは、労働組合が運営している場合と、弁護士が対応する場合だけです。円満退職ユニオンは前者にあたります。

そのうえで22,000円は、交渉ができる選択肢の中では安い部類に入ります。

22,000円の内訳が、公開されています
ここが他と違うところです。

組合規約の第5条に、こう書かれています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 組合加入費 | 3,000円 |
| 組合活動費 | 1,000円 |
| 組合費(3か月分) | 18,000円 |
| 合計 | 22,000円 |
総額だけでなく、何に払うのかが分かります。比較した中で、内訳を出しているのはここだけでした。
そして公式サイトのよくある質問に、追加料金についての記載があります。
Q 料金は追加になりますか?
A 一案件一律22,000円で追加料金はありません。
この金額の大半は「組合費」です。退職代行の手数料ではなく、組合に加入して活動してもらうための費用、という組み立てになっています。交渉期間のみ組合に加入する形だからです。

なお、税込か税別かは公式サイトに書かれていません。申し込む前に確認してください。料金は2026年8月時点のものです。

規約に書かれている、できること
第4条に8つ並んでいます。

勤務先への加入通知 団体交渉 退職日の調整 有給休暇取得に関する交渉 貸与品返却に関する調整 私物返却に関する調整 最終給与その他退職条件の確認 その他退職に必要な組合活動
退職で実際に困るところが、ほぼ全部入っています。
とくに効くのはこの3つです。
有給休暇取得に関する交渉。労働基準法39条で休む日を指定するのは労働者側ですが、実際には言い出せないまま流れることが多いところです。
貸与品と私物の返却の調整。制服、社員証、鍵、そして机に置いてきたもの。出社せずに辞める場合、ここが宙に浮きます。
最終給与その他退職条件の確認。労働基準法23条1項では請求があれば7日以内ですが、請求しなければ通常の給料日払いのままです。

そして第3条には、こう書かれています。
組合員は、希望する対応内容を当ユニオンへ申し出ることができます。
全部を頼む必要はありません。有給だけ、最終給与だけ、という形も申し出られます。

やらないことも、書いてあります
第4条の末尾です。
なお、弁護士法に抵触する法律事務は行いません。
第7条にはもう少し具体的に書かれています。
②当ユニオンは弁護士事務所ではなく、法律事件の代理、訴訟対応その他弁護士法に定める法律事務は行いません。
③退職以外の案件や高度な法律判断を要する案件については、必要に応じて弁護士等を紹介する場合があります。
自分で線を引いているところは、信用の材料になります。未払い残業代の請求で会社と争う場合、慰謝料を請求する場合、訴訟になった場合。この段階まで来ると、扱えるのは弁護士だけです。
「交渉はできるが、訴訟はできない」——この境目を先に知っておくと、頼む先を間違えません。


勤務先に、何が伝わるのか
ここは申し込む前に知っておくべきところです。

第10条にこう書かれています。
組合員は、当ユニオンが組合活動を行うため、勤務先へ加入事実、要求事項その他必要事項を通知することに同意するものとします。
「組合に加入した」という事実が、会社に伝わります。
これは仕組み上そうなります。労働組合が会社と交渉できるのは団体交渉権があるからで、その前提として「この人は組合員である」ことを示す必要があるからです。第11条にも、団体交渉を組合へ委任することが書かれています。
黙って辞めたい、という形にはなりません。会社には、あなたが組合を通して条件を求めていることが分かります。
そのうえで、顔を合わせずに終わらせることはできます。やり取りの窓口が組合になる、というのがこのサービスの中身です。


依頼したあと、自分でやることもあります
第7条の⑤と⑥です。
⑤勤務先から直接連絡を受けた場合は、速やかに当ユニオンへ報告してください。
⑥支援開始後に勤務先と直接やり取りを行う場合は、事前または事後速やかに当ユニオンへ報告してください。
丸投げして終わり、ではありません。会社から電話が来たら、その内容を組合へ伝える必要があります。
逆にいえば、自分で会社とやり取りしてもいいということでもあります。禁止ではなく、報告してくださいという書き方です。

返金される場合と、されない場合
第6条に規定があります。

当ユニオンの組合活動によっても退職できなかった場合は、納付済みの組合加入費・組合活動費・組合費を返金します。
退職できなかった場合は返金する、と書かれています。ただし除外が5つ続きます。
| # | 返金の対象外になる場合 |
|---|---|
| ① | 加入者本人の都合によるキャンセル |
| ② | 勤務先への加入通知または退職に関する通知後に依頼を中止した場合 |
| ③ | 他の退職代行業者、労働組合または弁護士へ依頼した場合 |
| ④ | 虚偽申告その他当ユニオン活動に重大な支障を与えた場合 |
| ⑤ | その他当ユニオンが返金対象外と判断する合理的な理由がある場合 |
そして、こう続きます。
返金の可否は、組合活動の経過および申込者の対応状況等を総合的に判断します。
「全額返金保証」ではありません。とくに②が実務では効きます。会社への通知が済んだあとに「やっぱりやめます」と言った場合は、対象外になります。
第8条にも、返金されない場合が書かれています。虚偽申告、暴言や脅迫、組合の信用を著しく損なう行為などがあった場合、活動停止または除名となり、納付済みの費用が返金されないことがあります。


向いている人と、そうでない人
最後に整理します。

向いているのはこういう場合です。
- 有給の残日数や退職日を調整したいが、自分では言い出せない
- 最終給与や貸与品の扱いを確かめてから終わらせたい
- 費用を抑えたいが、伝えるだけでは足りない
- まず相談だけしてみたい(無料です)
向いていないのはこういう場合です。
- 未払い残業代を請求したい、慰謝料を請求したい → 弁護士が対応する先へ
- 訴訟になりそう → 同じく弁護士型へ
- 実績の積み上がりで選びたい → ここは新しい組織です
最後の点は正直に書いておきます。2026年4月20日に法人登記された組織で、公式サイトにも「結成間もない組織です」と書かれています。利用者の口コミも、まだほとんど出ていません。
この点をどう見るかは分かれます。新しいから避ける、という判断もあります。一方で、規約をここまで細かく公開し、返金の除外条件まで書き、弁護士法との線引きを自分で明記している運営は、そう多くありません。


よくある質問
- 料金はいくらですか
-
一案件一律22,000円です。内訳は組合加入費3,000円、組合活動費1,000円、組合費(3か月分)18,000円で、規約第5条に記載されています。
公式サイトのよくある質問には「一案件一律22,000円で追加料金はありません」とあります。ただし税込か税別かは書かれていないので、申し込む前に確認してください。
- 相談だけでもできますか
-
できます。公式サイトに「相談は無料です。まず状況を聞かせてください。」と書かれています。全国対応で、オンラインでの相談も可能とされています。
受付は10:00〜20:00です。条件が揃うかどうかを聞くだけなら、費用はかかりません。
- 何をどこまでやってもらえますか
-
規約第4条に8つ挙げられています。勤務先への加入通知、団体交渉、退職日の調整、有給休暇取得に関する交渉、貸与品返却に関する調整、私物返却に関する調整、最終給与その他退職条件の確認、その他退職に必要な組合活動です。
第3条には「組合員は、希望する対応内容を当ユニオンへ申し出ることができます」とあるので、全部を頼む必要はありません。
- 会社に組合のことが知られますか
-
知られます。規約第10条に、組合活動を行うために勤務先へ加入事実、要求事項その他必要事項を通知することへ同意する、と書かれています。
労働組合が会社と交渉できるのは団体交渉権があるからで、その前提として組合員であることを示す必要があるためです。顔を合わせずに終わらせることはできますが、黙って辞める形にはなりません。
- 未払いの残業代も請求できますか
-
できません。規約第4条に「弁護士法に抵触する法律事務は行いません」、第7条に「法律事件の代理、訴訟対応その他弁護士法に定める法律事務は行いません」と書かれています。
第7条③には、退職以外の案件や高度な法律判断を要する案件について、必要に応じて弁護士等を紹介する場合があるとあります。請求まで必要なら、最初から弁護士が対応する先を選ぶほうが早いです。
- 退職できなかったら返金されますか
-
規約第6条に、組合活動によっても退職できなかった場合は納付済みの費用を返金する、と書かれています。ただし除外が5つあります。
本人都合のキャンセル、勤務先への通知後に依頼を中止した場合、他の業者や弁護士へ依頼した場合、虚偽申告などです。さらに「返金の可否は、組合活動の経過および申込者の対応状況等を総合的に判断します」とあるため、全額返金保証ではありません。
- 依頼したあとは何もしなくていいですか
-
いくつか報告が必要です。規約第7条⑤に、勤務先から直接連絡を受けた場合は速やかに報告すること、⑥に、支援開始後に勤務先と直接やり取りを行う場合も報告することが書かれています。
禁止されているわけではなく、報告してくださいという書き方です。会社から連絡が来たときに自分で対応してもよいことになります。
- 新しい組織のようですが大丈夫ですか
-
2026年4月20日に法人登記された組織で、公式サイトにも「結成間もない組織です」と書かれています。利用者の口コミはまだほとんど出ていません。
判断が分かれるところです。実績の積み上がりで選びたいなら、先に始まっている労働組合型のほうが長く運営されています。一方で、京都府労働委員会の資格審査を経た法適合労働組合であること、規約で返金の除外条件や弁護士法との線引きまで公開していることは、確認できる事実です。
まとめ:先に相談だけしてみる形があります
整理します。
- 運営は法適合労働組合。団体交渉権があるので交渉まで扱える
- 料金は一案件一律22,000円。内訳まで公開されている
- できることは規約第4条の8項目。希望する範囲だけ申し出られる
- 弁護士法に抵触する法律事務は行わないと自分で明記している
- 組合に加入した事実は勤務先に通知される(第10条)
- 返金の規定はあるが、除外5項目と総合判断がある(第6条)
相談は無料です。
有給が何日残っているか、最終給与がいつ払われるか、貸与品をどう返すか。この3つを確かめるだけなら、費用はかかりません。申し込むかどうかは、そのあとで決められます。
