退職代行のメリット・デメリット|使わず後悔した話

退職代行の最大のメリットは、上司と一度も話さずに辞められることです。 そして最大のデメリットは、費用がかかることと、円満退職にはならないことです。

私は退職代行を使わずに3ヶ月粘り、結果として未払いの給料を失いました。使わなかった側の視点から、両面を正直に書きます。

この記事でわかること

  • 退職代行の5つのメリットと5つのデメリット
  • 使うべき人・使わなくていい人の判断軸
  • 運営元の3類型と、できることの違い
  • 違法リスクのある業者の見分け方
目次

結論:状況によって答えが変わります

まず結論からお伝えします。退職代行は万能でも不要でもありません。状況によって、必要かどうかがはっきり分かれます。

あなたの状況 判断
上司に言い出せないまま数ヶ月経っている 使う価値があります
引き止められて話が進まない 使う価値があります
会社に行くと体調が悪くなる 迷わず使ってください
未払い給与や有給の交渉をしたい 労働組合型か弁護士型を使ってください
普通に話ができる関係の上司がいる 自分で伝えれば十分です
すでに退職日が決まっている 不要です

判断の軸はシンプルです。自分で言えるなら自分で言う。言えないまま時間が過ぎているなら、使う。 これだけです。

上の表で「使う価値があります」に当てはまった方へ。相談だけなら費用はかかりません。退職代行辞スルは、LINEから状況を伝えるだけで始められます。

退職代行の5つのメリット

まず良い面から見ていきます。どれも「自分では動けない人」にとっての価値です。

退職代行の5つのメリットを示した図解

1. 上司と一度も話さずに辞められる

これが最大の価値です。退職の意思を伝える場面そのものが、丸ごと消えます。

言い出せない人にとって、壁になっているのは手続きではありません。あの一言を口にすることです。そこを代わってもらえます。

2. 依頼した日から出社しなくてよい

多くのサービスが即日対応をうたっています。相談した当日に会社へ連絡が入り、翌日から出社不要という流れです。

「明日の朝、もう行きたくない」という状態でも間に合います。

3. 引き止めに合わずに済む

「今は困る」「もう少し待ってくれ」と言われる場面がありません。業者が窓口になるので、説得される機会そのものがなくなります。

責任感の強い人ほど引き止めに弱いので、この効果は大きいはずです。

4. 有給消化や未払い分の交渉を任せられる

ただしこれは業者の類型によります。後で詳しく書きますが、労働組合型か弁護士型でなければ交渉はできません。

逆に言えば、正しく選べば自分では言い出しにくいお金の話を任せられます。

5. 貸与品の返却も書類の受け取りも郵送で完結

制服、社員証、パソコン。返すために出社する必要はありません。離職票などの書類も郵送で受け取れます。

会社の人と顔を合わせずに、すべてが終わります。

ここまでがメリットです。5つのうち4つは、費用を払えばその日に手に入ります。 退職代行辞スルは受付が24時間で、料金は正社員が税込22,000円、パート・アルバイトが18,000円です(2026年8月時点)。

退職代行の5つのデメリット

良い面だけ書いても意味がないので、こちらも正直に挙げます。

退職代行の5つのデメリットを示した図解

1. 費用がかかる

相場は2万円から3万円程度です。弁護士型はさらに高くなります。

辞めるためにお金を払うことへの抵抗は、当然あると思います。ただし、悩んで動けない期間に失う収入と比べてどうか、という視点も持ってください。

2. 円満退職にはならない

第三者を通じて辞めることになるので、会社側の心証は良くありません。

「立つ鳥跡を濁さず」を重視する人には向きません。ただし、心証を気にして体を壊すのでは本末転倒です。

3. その会社には戻れないと考えたほうがよい

将来的に出戻りを考えている場合、選択肢はほぼ消えます。同じ業界で人間関係が繋がっている場合も、慎重に判断してください。

4. 業者によっては違法行為のリスクがある

これが一番重要な注意点です。民間企業が会社と交渉すると、弁護士法違反(非弁行為)にあたる恐れがあります。

禁じているのは弁護士法(e-Gov法令検索)の第72条です。「弁護士監修」と書いてあっても、運営が民間企業なら交渉はできません。

「有給も交渉します」とうたっている民間企業型の業者がいたら、警戒してください。

5. 家族に知られる場合がある

会社から実家に連絡が行くケースがあります。多くの業者は「本人以外に連絡しないよう伝える」と対応してくれます。ただし会社側にそれへ従う義務はありません。

実家暮らしの人や、家族に伏せておきたい人は、申し込み時に必ず相談してください。会社に伝える文面を工夫してもらえることがあります。

また、離職票や源泉徴収票が自宅に郵送されるので、同居家族には郵便物で気づかれる可能性も残ります。

デメリットのうち、お金で解決できるのは1つ目だけです。 残りは使うかどうかの判断そのものです。

私が使わなかった結果、失ったもの

ここで自分の話をします。

20代のころ、勤めていた会社の給料が完全に止まりました。辞めるしかないと分かっていながら、言い出せないまま3ヶ月が過ぎています。

止めていたのは会社ではありません。世話になった相手への情と恩でした。最後に動けたのも、決意したからではなく、生活が回らなくなったからです。

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未払いの3ヶ月分は、いまも回収できていません

一円も戻ってきていません。当時の私は、辞める以外の選択肢を知りませんでした。

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3ヶ月で私が失ったもの

計算するとこうなります。

失ったもの 内容
給料 3ヶ月分。回収できず
時間 次に進めたはずの3ヶ月
精神的な消耗 毎日「言おう」と思って言えない状態

もし当時、労働組合型の退職代行を知っていたらどうだったか。少なくとも辞めるのはもっと早かったはずです。そして未払い分についても、労働組合であれば会社と交渉する権限があります。

費用は2万円台。3ヶ月分の給料と比べれば、考えるまでもありませんでした。

もちろん、交渉すれば必ず回収できたとは言えません。会社に支払う資力がなければ、どんな手段でも回収は難しくなります。それでも、何もしないまま3ヶ月を過ごすよりは、はるかにましだったはずです。

そして何より、辞めるタイミングが早ければ、その3ヶ月は次の仕事で収入を得る期間になっていました。失ったのは未払い分だけではありません。

当時の私は「言い出せない自分が悪い」と思っていました。今は違う見方をしています。言い出さずに済む方法を知らなかっただけです。

デメリットのうち、金額で消せるのは1つ目だけです。 残りは「使うかどうか」の判断そのものなので、下で分けます。有給や未払い分の交渉まで必要なら、選ぶ相手が変わります。

使うべき人・使わなくていい人

私の失敗も含めて整理すると、判断軸が見えてきます。

該当する状況
使うべき人 言い出せないまま1ヶ月以上経っている/引き止められて話が進まない/出社すると体調が悪くなる/未払い給与や有給の交渉が必要/退職を認めてもらえない
使わなくていい人 上司と普通に話せる/すでに退職日が決まっている/引き継ぎも含めて話が進んでいる/費用をかけたくないし時間的な余裕もある

判断に迷ったら、期間で考えてください。 辞めたいと思ってから1ヶ月以上動けていないなら、自力では難しい状態です。

私は3ヶ月動けませんでした。あのとき必要だったのは、もう少し頑張ることではありません。自分で言わずに済む仕組みでした。

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LINEで完結する退職代行

失敗しない選び方:まず運営元の類型を見る

料金より先に確認すべきものがあります。運営元がどの類型かです。

退職代行の運営元3類型とできることの違いを示した図解

退職代行は運営元によって、できることが変わります。ここを間違えると、お金の話がまったく進みません。

運営元退職の伝達有給・未払い分の交渉訴訟の代理
民間企業型できるできないできない
労働組合型できるできるできない
弁護士型できるできるできる

民間企業が会社とお金の交渉をすると、弁護士法違反にあたる恐れがあります。これを非弁行為といいます。資格のない人が法律事務を行うことです。

「弁護士監修」は弁護士型ではありません

ここは間違えやすい部分です。公式サイトによくある表現を整理します。

表現 意味
弁護士が運営 弁護士型。訴訟まで対応できる
弁護士監修 助言を受けているだけ。運営は民間企業のことがある
労働組合が運営 労働組合型。交渉できる
労働組合と提携 提携内容の確認が必要

判断できないときは、申し込み前の無料相談で直接聞いてください。 「御社は労働組合ですか、民間企業ですか」と聞けば済みます。

最初から労働組合型を選んでおけば、この確認自体が不要になります。円満退職ユニオンや【男の退職代行】・【わたしNEXT】が労働組合型にあたります。

円満退職ユニオン|法適合労働組合
労働組合が運営する退職代行

私のようなケースなら、選ぶ類型は決まります

未払い給与がある、有給を消化したい、退職金の話をしたい。こうした交渉が必要なら、民間企業型は選択肢から外れます。

なお、未払い賃金の請求権には時効があります。2020年4月以降に支払期日が来た賃金は支払期日から3年です。放置すると請求できなくなります。

お金の請求まで必要なら、弁護士型という選択肢

私のように給料が止まっていた場合、労働組合型でも交渉はできます。ただし訴訟にまで発展する可能性があるなら、弁護士型が確実です。

代表的なのが弁護士法人ガイアの退職代行サービスです。公式サイトでは次の内容が示されています。

項目 内容
運営 弁護士法人(弁護士型)
対応範囲 退職の代行に加えて、有給消化・最後の給料や未払い残業代・退職金の請求・社宅の明け渡しまで
サポート期間 無期限。転職先で必要になった書類の取り寄せも都度対応
対応時間 24時間365日の相談受付、土日祝も代行可
対応できる雇用形態 正社員のほか契約社員・試用期間中・役員・パート・派遣・公務員(自衛隊や警察官を含む)・業務委託

「無期限」という点が他の類型にはない強みです。退職の連絡だけして終わりではなく、後から必要になった手続きにも対応してくれます。

さらに、パワハラなどで体調を崩した場合の傷病手当の申請サポートもオプションで用意されています。突然の退職では会社が書類を用意しないことが多いのですが、弁護士が交渉して準備させる形です。

私が失った3ヶ月分の給料も、当時この選択肢を知っていれば違う結果になっていたかもしれません。取り戻したいお金がある人ほど、最初から弁護士型を選ぶ価値があります。

弁護士法人ガイアの退職代行|交渉から訴訟まで対応
弁護士法人が運営する退職代行

料金・後払い対応・運営形態の比較は退職代行の後払いおすすめ6選にまとめました。手元にお金がなくても動ける方法を書いています。

自分で切り出す手順は仕事を辞めたいのに言い出せない5つの理由にまとめています。まずは自力で、と考えている方はこちらから。

退職代行 即ヤメ|完全後払い制で今すぐ退職
完全後払いの退職代行

よくある質問

利用前に不安になりやすい点をまとめました。

本当に辞められますか?

退職は労働者の権利です。民法627条では、期間の定めのない雇用は申入れから2週間で終了できるとされています。会社の承認は必要ありません。

条文は民法(e-Gov法令検索)の第627条で確認できます。

会社から訴えられませんか?

退職を理由に会社が訴えて認められるケースは、極めて考えにくいといえます。心配な場合は弁護士型のサービスを選んでください。

転職のときに不利になりますか?

退職の方法が次の会社に伝わることは通常ありません。離職票に記載されるのは退職理由の区分だけです。

会社から直接連絡が来ませんか?

多くのサービスが「本人へ直接連絡しないよう伝える」と対応しています。ただし会社が連絡してくる可能性をゼロにはできません。その場合の対応方法も、事前に確認しておくと安心です。

費用は本当にそれだけですか?

追加料金の有無は必ず確認してください。後払いの手数料、オプション料金が別途かかるケースがあります。

料金体系を先に確かめたいなら、退職代行辞スルや即ヤメの公式サイトで総額表示を見てから相談するのが確実です。

申し込む前に準備しておくものはありますか?

次の4点を手元に揃えておくと、相談から申し込みまでがスムーズです。

  1. 雇用契約書(契約形態と退職の条件を確認するため)
  2. 給与明細(未払いがある場合の証拠になります)
  3. 会社の正式名称・住所・代表者名・連絡先
  4. 貸与品の一覧(制服・社員証・鍵・パソコンなど)

とくに給与明細は、在職中に手元へ揃えておいてください。辞めた後は取り寄せにくくなります。

申し込んでから退職完了まで、どのくらいかかりますか?

会社への連絡自体は即日から可能です。ただし離職票などの書類が届くまでには2週間前後かかるのが一般的です。

失業保険の手続きには離職票が必要なので、この期間も見込んでおいてください。

使うのは「逃げ」でしょうか?

私はそう思いません。言えないまま消耗して、給料も時間も失ったのが私です。環境を変えるのは正当な選択肢のひとつです。

そもそも退職代行が成立しているのは、自分で言えない状況が現実に多く存在するからです。需要があるということは、同じところで詰まっている人がそれだけいるということでもあります。

ひとつ付け加えておきます。私が会社を辞めた当時、退職代行という言葉はありませんでした。

パワハラもモラハラも、いまほど問題として扱われていない時代です。理不尽は我慢するものだと、当たり前のように考えられていました。

だから私は耐えました。そして3ヶ月分の給料を失いました。 選択肢がなかったからです。

いまはあります。選択肢がある人が使わない理由は、私には見つかりません。

迷っている間も、有給の残日数と退職日は動きません。

退職代行 辞スル|LINEで即日対応
LINEで完結する退職代行

まとめ:迷っている期間そのものがコストです

要点を整理します。

  • 最大のメリットは、上司と一度も話さずに辞められること
  • 最大のデメリットは、費用がかかることと円満退職にならないこと
  • 有給や未払い給与の交渉が必要なら、労働組合型か弁護士型を選ぶ
  • 「弁護士監修」は弁護士型ではない。迷ったら無料相談で直接聞く
  • 辞めたいと思ってから1ヶ月以上動けていないなら、自力では難しい状態

私は3ヶ月動けず、給料も時間も失いました。費用を惜しんだ結果、はるかに大きなものを失ったというのが正直なところです。

無料相談だけなら費用はかかりません。まず現状を話してみるところから始めてみてください。

状況別に、向いている類型と選択肢を整理しておきます。

使うと決めても、決めなくても、次は同じです。

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この記事を書いた人

元営業職・運送会社勤務を経て、現在フリーランスとして独立。

20代で営業職を経験しました。辞めると決めてから上司に伝えるまで、3ヶ月かかって無駄な時間をすごしました。自分で退職を切り出す難しさを経験した立場から、辞めたい人が損をしないための情報をまとめています。労働問題の専門家ではないため、法律の解釈が関わる部分については、公的機関や専門家の情報を必ず併記するようにしています。

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