子どもが熱を出しました。有給はもう残っていません。
有給とは別に、年5日の休暇があります。
この記事でわかること
- 対象になる子の年齢
- 使える理由(病気以外にもあります)
- 会社が断れないこと
- 介護のほうの同じ制度
結論:年5日、会社は拒めません
条文から確認します。

九歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子(以下この項において「小学校第三学年修了前の子」という。)を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において五労働日(その養育する小学校第三学年修了前の子が二人以上の場合にあっては、十労働日)を限度として、(中略)休暇(以下「子の看護等休暇」という。)を取得することができる。
日数は1年度に5労働日。子が2人以上いれば10労働日です。
そして16条の3第1項が、会社側の扱いを決めています。
事業主は、労働者からの前条第一項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができない。
「拒むことができない」です。年次有給休暇のような時季変更権の定めもありません。


対象は「小学校3年生修了前」まで広がりました
年齢の線がここです。

条文は「九歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子」と書いています。かっこ書きで「小学校第三学年修了前の子」と言い換えられています。
2025年4月の改正まで、対象は小学校就学前まででした。いまは小学校3年生の年度末までです。
「うちの子はもう小学生だから使えない」と思っている人がいますが、3年生までは対象に入っています。
なお年度は、事業主が別段の定めをする場合を除き、4月1日に始まり翌年3月31日に終わります(16条の2第4項)。1月始まりではありません。


病気以外にも使えます
ここが知られていません。

条文が挙げている事由は4つです。
| # | 使える場面 |
|---|---|
| ① | 負傷し、または疾病にかかった子の世話 |
| ② | 疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める子の世話 |
| ③ | 学校保健安全法20条の規定による学校の休業その他これに準ずる事由に伴う子の世話 |
| ④ | 子の教育または保育に係る行事のうち厚生労働省令で定めるものへの参加 |
②は予防接種や健康診断が想定されています。③が学級閉鎖や休校、④が入学式や卒業式です。
「看護」という名前ですが、病気のときだけではありません。2025年4月の改正で「子の看護等休暇」に名前が変わったのは、この範囲の広がりを反映したものです。
そして16条の2第2項により、1日の所定労働時間が短い労働者として省令で定めるもの以外は、1日未満の単位でも取得できます。半日や時間単位で使えるということです。


入社して半年未満でも使えます
除外の範囲も変わりました。

16条の3第2項は、6条1項ただし書のうち第2号に係る部分に限って準用する、という書き方をしています。
6条1項ただし書の1号が「継続して雇用された期間が1年に満たない労働者」、2号が「厚生労働省令で定めるもの」です。1号が準用されていないということは、勤続期間を理由に労使協定で除外することができないという意味になります。

つまり入社直後でも申し出られます。「まだ半年経っていないから」という説明は、いまの条文とかみ合いません。
除外できるのは、省令で定める労働者(週の所定労働日数が著しく少ない者など)と、1日未満の単位での取得が困難と認められる業務に従事する労働者(時間単位で取ろうとする場合に限る)です。後者に当たっても、1日単位での取得はできます。


取ったことを理由に、不利に扱うことはできません
ここも条文で決まっています。
16条の4が、16条の規定を子の看護等休暇について準用しています。その16条はこう書いています。
事業主は、労働者が介護休業申出をし、又は介護休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
準用なので、子の看護等休暇を申し出たことや取得したことを理由とする解雇その他不利益な取扱いも、禁止されています。
「不利益な取扱い」は解雇だけではありません。減給、賞与や昇給での不利な査定、契約を更新しないこと、降格、配置転換。休暇を取った日数を欠勤として扱い、それを理由に評価を下げるのも同じ問題になります。
実際に起きるのは、直接そう言われる形ではなく、査定の説明がないまま下がるパターンです。取得した日と、その後の評価の変化を記録に残しておいてください。評価の理由を書面で求めることもできます。
介護のほうにも同じ制度があります
家族の介護でも使えます。
16条の5第1項の介護休暇です。要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行うために、1年度に5労働日(対象家族が2人以上なら10労働日)を限度として取得できます。
16条の6第1項も、事業主は申出を拒むことができないと定めています。時間単位で取れる点も同じです。
| 子の看護等休暇 | 介護休暇 | |
|---|---|---|
| 条文 | 16条の2 | 16条の5 |
| 日数 | 年5日(2人以上で10日) | 年5日(2人以上で10日) |
| 対象 | 小学校3年生修了前の子 | 要介護状態の対象家族 |
| 会社の拒否 | できない(16条の3) | できない(16条の6) |
| 時間単位 | 取得できる | 取得できる |
どちらも有給休暇とは別枠です。有給を使い切っていても、この5日は残っています。
なお賃金が支払われるかどうかは、法律では決まっていません。就業規則を確認してください。無給の会社もあります。


よくある質問
- 子の看護等休暇は何日取れますか
-
1年度に5労働日です。養育する小学校第三学年修了前の子が2人以上いる場合は10労働日になります(育児・介護休業法16条の2第1項)。
年度は、事業主が別段の定めをする場合を除き、4月1日に始まり翌年3月31日に終わります(同4項)。1月始まりではないので、年度末に残っていれば使い切ることを検討してください。繰り越しの定めはありません。
- 何歳まで対象ですか
-
九歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子が対象です。条文はこれを「小学校第三学年修了前の子」と言い換えています。
2025年4月の改正より前は小学校就学前までだったので、対象が広がりました。「もう小学生だから使えない」と思っている人がいますが、3年生の年度末までは入っています。
- 病気のときしか使えませんか
-
4つの場面で使えます。負傷または疾病にかかった子の世話、疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める子の世話、学校保健安全法20条の規定による学校の休業その他これに準ずる事由に伴う子の世話、そして子の教育または保育に係る行事のうち厚生労働省令で定めるものへの参加です。
予防接種や健康診断、学級閉鎖や休校、入学式や卒業式が想定されています。「看護」という名前から病気のときだけと思われがちですが、範囲はもっと広くなっています。
- 会社に断られました
-
事業主は申出を拒むことができません。育児・介護休業法16条の3第1項が「事業主は、労働者からの前条第一項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができない」と定めています。
年次有給休暇のような時季変更権の規定もありません。断られた場合は、この条文を示して求めてください。それでも応じない場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。
- 入社したばかりでも使えますか
-
使えます。16条の3第2項は6条1項ただし書のうち第2号に係る部分に限って準用する形になっていて、「継続して雇用された期間が1年に満たない労働者」を除外する1号が準用されていません。
つまり勤続期間を理由に労使協定で除外することはできません。「半年経っていないから」という説明は、いまの条文とかみ合わない扱いです。
- 半日や時間単位で取れますか
-
取れます。16条の2第2項が、1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、省令で定める1日未満の単位で取得できるとしています。
ただし業務の性質や実施体制に照らして1日未満の単位で取得することが困難と認められる業務に従事する労働者は、労使協定で除外されることがあります。その場合でも、1日単位での取得はできます。
- 給料は出ますか
-
法律では決まっていません。子の看護等休暇の期間を有給とするか無給とするかは、会社の定めによります。就業規則の休暇の章を確認してください。
無給の場合でも、休暇を取得したこと自体を理由に不利益な取扱いをすることはできません。査定を下げる、賞与を減らすといった扱いは、この点で問題になります。
- 介護でも同じ休暇がありますか
-
あります。16条の5第1項の介護休暇で、要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行うために、1年度に5労働日(対象家族が2人以上なら10労働日)を限度として取得できます。
16条の6第1項により、事業主はこの申出も拒むことができません。時間単位で取れる点も子の看護等休暇と同じです。より長く休む必要がある場合は、介護休業(通算93日)という別の制度があります。
まとめ:有給とは別枠です
整理します。
- 1年度に5労働日。子が2人以上なら10労働日(法16条の2第1項)
- 対象は九歳に達する日以後の最初の3月31日まで=小学校3年生修了前
- 病気だけでなく、予防接種・学級閉鎖・入学式にも使える
- 事業主は拒むことができない(16条の3第1項)
- 勤続期間を理由に除外できない。入社直後でも申し出られる
年度は4月1日始まりです。残っているなら、3月31日までに使ってください。繰り越しの定めはありません。


