9月末で辞めようと考えているなら、先に日付だけ確認してください。
締切は、思っているより手前にあります。
この記事でわかること
- 就業規則が「1か月前」なら、申し入れの締切は8月31日
- 有給が20日残っているなら、最終出社は9月2日になる
- 就業規則より民法が優先されること
- 辞めた後に来る手続きの期限(14日・20日)
結論:締切は、退職日ではなく申し入れ日です
2026年9月30日は水曜日です。そこから逆算します。
| 就業規則の定め | 申し入れの締切 |
|---|---|
| 3か月前 | 6/30(火)※すでに過ぎています |
| 2か月前 | 7/31(金)※すでに過ぎています |
| 1か月前 | 8/31(月) |
| 定めなし(民法627条) | 9/16(水) |

まず就業規則を見てください。 「退職の申し出は1か月前まで」と書いてある会社が多く、その場合の締切は8月31日です。
日付が決まっているぶん、間に合わせるには退職日を条件として通す必要があります。 会社の都合に合わせると、10月末や11月末にずれます。円満退職ユニオンは労働組合の運営で、退職日と有給の消化を交渉の対象にできます。
そして、有給が残っているなら、締切はもっと手前になります。
有給から逆算すると、最終出社はここです
有給を全部消化してから辞める場合、最後に出社する日は残日数で決まります。
| 有給の残り | 最終出社日 |
|---|---|
| 5日 | 9/23(水) |
| 10日 | 9/16(水) |
| 15日 | 9/9(水) |
| 20日 | 9/2(水) |
土日を除いた計算です。20日残っている人は、9月2日が最後の出社になります。
「9月いっぱい働いて、それから辞める」という感覚でいると、有給が丸ごと残ります。退職日をもって有給の権利は消滅します。在職中なら2年は持ち越せますが、それは在職中の話です。辞めたあとに請求することはできません。

退職時だけは、会社が断れません
在職中に有給が通りにくい理由は以前もお伝えしましたが、繁忙期を理由に断ること自体は違法ではありません。本当に代わりがいない職場では、会社の主張が通ります。
変わるのは退職するときです。 時季変更権は「他の時季にずらす」ための権利なので、辞める人にはずらす先がありません。
| 会社の対応 | 結果 | |
|---|---|---|
| 在職中 | 「今は無理。別の時季に」 | 次の繁忙期へ。在職中は2年持ち越せる |
| 退職時 | ずらす先が無い | 断れない |
ただし会社は退職日を早めたがります。そこは交渉になります。 交渉まで扱えるのは労働組合型と弁護士型で、一般の業者は伝えるところまでです。
円満退職ユニオンは労働組合の運営です。9月末という日付と、残っている有給の日数を、そのまま条件にできます。


「1か月前」と書いてあっても、法律が優先します
就業規則に「3か月前までに申し出ること」と書かれている会社があります。それを見て、9月末はもう無理だと諦める人がいます。

民法627条は、期間の定めのない雇用について、解約の申入れから2週間で契約が終了すると定めています。 就業規則の定めが法律より長くても、法律のほうが優先されるという考え方が一般的です。条文は民法(e-Gov法令検索)の第627条で読めます。
ただ、条文を出しても引き下がらない相手には、これだけでは足りません。
つまり、9月16日までに申し入れれば、9月30日での退職は形式上成立します。
ただし、この主張を自分の口から会社に言うのは、かなり重い場面になります。条文を根拠に押し切る役目こそ、外に出せる部分です。
ただし、揉める形にはなります
法律上できることと、円滑に進むことは別です。
引き継ぎの都合を理由に引き延ばされたり、有給の消化を認めないと言われたりします。期限が迫っているほど、この交渉に時間をかけられません。
だから、就業規則どおりの日程で動けるなら、そのほうが早く済みます。8月31日が現実的な締切だと考えてください。

伝えるときは、日付を先に出してください
言い方で結果が変わる場面です。
「そろそろ辞めようと思っています」だと、日程の主導権が会社に移ります。 「では引き継ぎの都合もあるので年内で」と返され、そこから押し戻すのは難しくなります。
先に日付を置いてください。
| ✕ 主導権を渡す言い方 | ⭕ 日付から入る言い方 |
|---|---|
| そろそろ辞めようと思っていて | 9月30日付で退職したいと考えています |
| いつ頃がいいでしょうか | 有給が20日残っているので、最終出社は9月2日を予定しています |
| 落ち着いたら考えます | 就業規則の1か月前という定めに沿って、本日お伝えしています |
3つ目が効きます。 就業規則どおりに動いていると示すと、会社側は制度の話で押し返せません。
退職届も、口頭で伝えた後に日付入りで出しておくと記録になります。
8月31日を過ぎてしまったら
間に合わなかった場合の話もしておきます。
| 状況 | 現実的な選択 |
|---|---|
| 9月上旬に申し入れ | 民法627条で9/16まで。ただし有給の消化は諦める前提になります |
| 9月中旬以降 | 10月末退職に切り替える。有給は残せます |
| 体調に問題が出ている | 日付を待たずに動いてください。区切りは体調より優先されません |
有給を全部使うことにこだわると、退職そのものが遅れます。 20日分を金額に直すと大きく見えますが、日数で言えば1か月です。1か月早く離れることの価値と比べて決めてください。
そして、12月末を次の区切りにするのは勧めません。 年末は多くの業界で繁忙期に入るので、引き止めがいちばん強くなる時期です。
日付が決まると、あとは全部そこから逆算になります。 逆に決まらないと何も進みません。

9月末で辞めると、この日程で手続きが来ます
辞めた後の期限も、先に知っておくと動けます。
| 期限 | やること |
|---|---|
| 10/1(木) | 健康保険の資格を失います。保険証はこの日から使えません |
| 10/14(水)まで | 国民健康保険に入る場合の届出期限(14日以内) |
| 10/20(火)まで | 任意継続を選ぶ場合の申出期限(20日以内) |
| 10月以降 | 住民税の納付書が届きます |
14日と20日は、どちらも短いです。 離職票を待っている間に過ぎます。
どちらが安いかは、扶養している家族の人数と前年の所得で変わります。

住民税は、辞めた後に請求が来ます
9月退職の場合、10月以降の住民税は普通徴収に切り替わります。給与から引かれていたものが、自分で納める形になります。
前年の所得に対してかかるので、収入が下がっても金額は下がりません。ここで驚く人が多い部分です。

失業保険の手続きは、離職票が届いてからです
9月末に辞めると、離職票が届くのはたいてい10月中です。手続きはそこからなので、実際に振り込まれるまでには時間がかかります。
受け取る総額は、1日あたりの額と給付日数の掛け算です。そして日数のほうが、離職理由で大きく動きます。 自己都合で150日、倒産・解雇などの区分なら330日という差が出ます。
日本退職サポートセンターでは、受け取れる額の診断を無料で出してもらえます。離職票が届く前に、自分がどの区分で何日分なのかを出せます。

9月末という区切りには、意味があります
なぜ9月末なのか、という話も書いておきます。
| 上期の区切り | 引き継ぎの節目にしやすく、会社も受け入れやすい |
| 転職市場 | 10月入社の求人が動く時期です |
| 賞与 | 夏の賞与を受け取った後になります |
| 社会保険 | 月末退職なので、9月分まで会社の保険に入っていられます |
月末退職と月中退職では、その月の社会保険料の扱いが変わります。 9月30日で辞めると9月分まで会社の保険に入っていられるので、切り替えの手間が1か月分後ろにずれます。
言い出せないまま8月末が来る人へ
ここまで日程の話をしてきましたが、実際に多いのは、日程以前に切り出せないという形です。
辞めると決めたのに言えないまま9月が過ぎ、12月を迎えた人を、私の周りでも見てきました。そして年末の繁忙期に入ると、もっと言えなくなります。
伝える工程だけなら、外に出せます。退職代行辞スルは受付が24時間なので、決めた日の朝からそのまま動けます。料金は正社員が税込22,000円、パート・アルバイトが18,000円です(2026年8月時点)。

有給の消化や退職日の調整まで頼みたいなら、選ぶ相手が変わります。
退職代行は運営元によって、できることが変わります。ここを間違えると、お金の話がまったく進みません。
| 運営元 | 退職の伝達 | 有給・未払い分の交渉 | 訴訟の代理 |
|---|---|---|---|
| 民間企業型 | できる | できない | できない |
| 労働組合型 | できる | できる | できない |
| 弁護士型 | できる | できる | できる |
民間企業が会社とお金の交渉をすると、弁護士法違反にあたる恐れがあります。これを非弁行為といいます。資格のない人が法律事務を行うことです。
どれを選ぶかは、頼みたい範囲で決まります
9月末という日付が決まっているなら、そこを守れるかどうかで選んでください。
| 頼みたいこと | 対応できる型 |
|---|---|
| 退職日を9月末に指定したい・有給を全部使いたい | 労働組合型から |
| 伝えるところだけ止まっている | どの型でも可 |
| 未払いの残業代や退職金の請求まで | 弁護士型だけ |


よくある質問
9月末退職でよく出る疑問に答えます。
- 就業規則に「3か月前」と書いてあります。もう無理ですか?
-
形式上は可能です。民法627条が、期間の定めのない雇用について解約の申入れから2週間で契約が終了すると定めていて、就業規則の定めが長くても法律が優先されるという考え方が一般的だからです。9月16日までに申し入れれば9月30日での退職は成立します。ただし引き継ぎや有給の消化で揉めやすくなるので、就業規則どおりの日程で動けるならそのほうが早く済みます。
- 有給を全部使ってから辞められますか?
-
退職時なら、実質的に断れません。時季変更権は「他の時季にずらす」ための権利で、辞める人にはずらす先がないためです。ここで会社が持ち出してくるのは、たいてい退職日を早める案です。有給が20日残っているなら最終出社は9月2日で、逆算すると準備の時間はもうあまりありません。この交渉ができるのは、労働組合型か弁護士型に限られます。
- 9月末と10月末では、何が変わりますか?
-
社会保険の扱いと、住民税の切り替え時期が1か月ずれます。月末退職なら、その月分まで会社の健康保険に入っていられます。転職の面では10月入社の求人が動く時期なので、9月末で区切ると空白を作らずに移りやすくなります。逆に体調を優先するなら、日付にこだわらず早く離れるほうが正解です。
- 辞めた後、健康保険はいつまでに手続きすればいいですか?
-
9月30日で辞めると、資格を失うのは10月1日です。国民健康保険に入る場合の届出は14日以内で10月14日まで、任意継続を選ぶ場合の申出は20日以内で10月20日までになります。どちらが安いかは扶養している家族の人数と前年の所得で変わるので、辞める前に両方の金額を出しておいてください。
- 失業保険はいつからもらえますか?
-
離職票が届いてからの手続きになります。9月末に辞めると届くのはたいてい10月中で、そこから待期期間と、自己都合なら給付制限があります。受け取る総額は、1日あたりの額に給付日数を掛けたものです。そしてこの日数が、離職理由で大きく動きます。自己都合で150日、倒産・解雇などの区分なら330日という差が出るので、自分がどの区分かは早めに確認しておいてください。
- 引き継ぎが終わらないと言われています
-
引き継ぎが終わらないことを理由に、退職そのものを止めることはできません。ただし現実には交渉になります。引き継ぎの資料を先に作っておくと話が早く、「あとはこれを見れば分かる」という状態にしておくほど引き延ばされにくくなります。それでも進まない場合は、退職日を条件として交渉できる相手に頼むことになります。
- 賞与をもらってから辞めても大丈夫ですか?
-
支給日に在籍していることを条件にしている会社が多いので、就業規則の賞与の項目を確認してください。支給後すぐの退職を理由に返還を求められるケースもありますが、規程に明記がなければ根拠が弱くなります。金額が大きい場合は、申し出る前に規程を読んでおくほうが安全です。
有給消化に入ってから支給日を迎える場合は、在籍しているかどうかの判断が変わります。
有給消化中にボーナスの支給日|在籍しているのに支給されないことがあります
有給消化中にボーナスの支給日|在籍しているのに支給されないことがあります 退職を伝えたあと、有給消化中に賞与の支給日が来ることがあります。有給消化中は在籍しているので支給日在籍要件は満たしています。それでも支給されない場合があるのは、別の規定が使われているからです。確認する順番を書きます。 - 9月末を過ぎたら、次はいつが区切りですか?
-
12月末か3月末です。ただし12月は年末の繁忙期に重なるので、引き止めが強くなります。区切りを待つほど、辞めにくくなるのが実際のところです。 体調に問題が出ているなら、区切りを待たずに動いてください。
締切は退職日ではなく、申し入れの日です。 残り日数から逆算してください。

まとめ:8月31日を過ぎると、選択肢が減ります
要点を整理します。
- 9月30日退職の申し入れ締切は、就業規則が「1か月前」なら8月31日
- 有給が20日残っているなら、最終出社は9月2日
- 就業規則が「3か月前」でも、民法627条により9月16日までなら形式上は成立します
- ただし揉めるので、就業規則どおりの日程で動けるならそのほうが早い
- 辞めた後は14日(国保)と20日(任意継続)の期限が来ます
- 住民税は10月以降、自分で納める形に切り替わります
日付が決まっているぶん、逆算すれば何をいつまでにやるかは全部出ます。 出ないのは、切り出すかどうかだけです。


